ウェブ解析士とは?難易度や合格率、資格取得のメリットについて解説

ウェブ解析士

Web業界で即戦力となる人材に成長するために、ウェブマーケティング関連の資格を取得したいと考えてはいませんか?

アクセス解析など専門的な知識を身につけてウェブマーケティングのエキスパートになりたい方は、ウェブ解析士の資格取得を目指すことをおすすめします。

そこで、この記事ではウェブ解析士の概要・試験の難易度と合格率、資格を取得するメリット・学習の流れについてわかりやすく解説します。

さらなるスキルアップを目指す人に向けて、ウェブ解析士よりも一歩上の資格も掲載しているので、ぜひ今後の参考にして下さい。

目次

Webマーケティングの勉強に必要なウェブ解析士の可能性・将来性・難易度【2021年度合格率】

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ウェブ解析士とは何か

ウェブ解析士という言葉から、どのようなイメージをお持ちでしょうか。「ウェブ解析士はツールを活用してウェブサイトのアクセス解析をするのがおもな仕事」といった先入観を持つ人もいますが、これはウェブマーケティングにおける業務のひとつに過ぎません。

ウェブ解析士とは、アクセス解析やKPIを活用したウェブマーケティングについて基礎知識を習得し、Web業界で即戦力となる人材を目指せる資格です。

ウェブ解析士は一般社団法人ウェブ解析士協会が主催する資格の名称であり、定期的に試験が実施されています。

実際にWeb業界で活躍しているウェブ解析士の資格取得者は、アクセス解析だけではなく集客対策など幅広い施策を行っています。

ウェブ解析士の資格の難易度と合格率

ウェブ解析士の資格の難易度はどの程度でしょうか。

ウェブ解析士の試験制度が始まったのは2010年、Web業界においてウェブマーケティングのニーズが高まってきた背景もあり、年々着実に受験者数が増加しています。

試験の合格基準は全体のうち7割の正解率となっています。試験に出題される問題は、主催団体であるWACAが発刊している公式テキストの内容です。そのため、公式テキストで地道にコツコツ学習していれば、間違いなく合格を目指せるでしょう。

2021年度に実施されたウェブ解析士の試験では受験者数726人、合格者数370人、合格率は53.7%、おおまかに言えば受験者2人のうち1人は合格となっています。

※WACAとは「Web Analytics Consultants Association」(一般社団法人ウェブ解析士協会) の頭文字を取った呼び方です。

ウェブ解析士が活躍する現場と今後の可能性

ウェブ解析士の資格を取得した後の活躍シーンは、下記の通り多岐に渡ります。

  • Web制作会社でウェブマーケターとして活躍
  • 一般企業に就職してIT関連の部署でウェブマーケティングの仕事をする
  • ウェブマーケティング専門の会社で働く
  • マーケティングリサーチ専門の企業でウェブ解析士の資格を活かして働く

ウェブ解析士よりもさらにグレードアップした上級ウェブ解析士やウェブ解析士マスターの資格取得を目指す人も多いです。

これらの資格を取得することによって専門的なスキルと技能を証明することが可能となります。周囲からの信頼も高まり、さらにもっと活躍の場が広がるでしょう。

ウェブ解析士の適性と求められる要素と資質

適性

ウェブ解析士にはどのような要素が求められ、どんな人が向いているのでしょうか。ウェブ解析士に求められる資質と適性は下記の通りです。

  • 最新の情報をスピーディーにキャッチして関心を持つ人
  • 地道に努力して最後まで責任感と使命感をもって応えられる人
  • 冷静な判断力と分析力のある人
  • 思わぬハプニングにも軽いフットワークで迅速かつ正確に対応できる人
  • 困難にぶつかった時にもひるまず諦めずにねばり強さを発揮できる人

ウェブ解析士と連携する職業とは

ウェブ解析士と関連深い職種や連携を取り合う職業は、おもに下記の通りです。

  • Webディレクター
  • Webデザイナー
  • システムエンジニア

Web制作に携わるスタッフと必要な情報を共有しながら連携し合い、しっかりとしたコミュニケーション力も要求されます。

ウェブ解析士の受験資格と費用の目安

ウェブ解析士を目指すには、WACA (一般社団法人ウェブ解析士協会) が主催する講座を受講する方法があります。講座を受講して基礎知識を勉強してから試験に合格する必要があります。ウェブ解析士の講座は、WACAから指定された全国各地の認定校にて開催されています。

受験要綱やウェブ解析士講座の認定校について、最新の情報をWACAの公式サイトで確認しましょう。

ウェブ解析士はとくに受験資格はなく、年齢・学連・職歴などの制限は設けられていません。認定講座の受講料は11,000円(税込)、公式テキストは4,400円(税込)で販売されています。初めてウェブ解析士の試験を受ける方の受験料は17,600円(税込)です。

初回受験して不合格だった場合、再試験の受験料は12,100円(税込)となっています。 試験に合格後にWACAに認定申請レポートの提出が完了したら、正式に認定されます。

思っていたよりも受講料や受験料が安くてびっくりした方も多いでしょう。スキルアップを目指してぜひチャレンジしてみて下さい。

ウェブ解析士とITコーディネータの特徴や違いを比較

経済産業省

ITコーディネータとは

ITコーディネータとは経済産業省が推奨するIT系の資格で、2001年2月に新たに創設された資格制度です。

ITコーディネータのことをITCと呼ぶこともあります。現在ITコーディネータの資格取得者は約6500名、事業経営とITに関わるスペシャリストとして活躍しています。

ウェブ解析士とITコーディネータの違いとは

ウェブ解析士とITコーディネータを比較すると、資格試験の主催団体にそれぞれ違いがあります。

ウェブ解析士の資格試験の主催団体は一般社団法人ウェブ解析士協会 (WACA) 、ITコーディネータはITコーディネータ協会 (ITCA) です。

ITと経営の双方に深く関わるのがITコーディネータ、ウェブ解析士はアクセス解析などのウェブマーケティング関連の技能のひとつです。

ウェブ解析士の資格を取得する5つのメリットとは【スキルアップ・年収アップ・就職が有利になる可能性・その他】

メリット

 

「ウェブ解析士の資格を取得することで、どんなメリットが期待できるのか」と、気になる人も多いのではないでしょうか。ウェブ解析士の資格を取得するメリットは下記の通り5つ挙げられます。

  • Webマーケティングの幅広い知識を習得してスキルアップ
  • 資格手当支給や年収アップが期待される
  • Web制作会社やIT系企業への就職・転職が有利になる可能性がある
  • 仕事関係の仲間が増えて人脈を広げるチャンスあり
  • 資格試験にチャレンジすることで学習意欲が向上する

それでは、各項目について詳しく解説します。

Webマーケティングの幅広い知識を習得してスキルアップ

ウェブ解析士の資格を取得することによって、Webマーケティングにおける実務的な幅広い知識を着実に習得することができます。

これまで、アクセス解析やデータ分析の活用などを自己流で行っていた人も、ウェブ解析士になるための勉強を重ねることによってスキルアップに繋げられるでしょう。

資格を取得して自分のスキルを公的に証明できるので、勤務先の社員や同業者からの信頼性も高まり、自信が持てるようにもなります。

資格手当支給や年収アップが期待される

ウェブ解析士の資格を取得した後、勤務先の会社で給与体系などこれまでよりも待遇が改善される可能性もあります。

基本給にウェブ解析士の資格手当が上乗せされるなど、月収が上がる可能性もあります。毎月資格手当が支給されることになった場合は、年収もアップします。

ウェブ解析士の資格取得によって少しでも年収が上がれば生活が豊かになり、精神的にもゆとりが持てるようになるでしょう。

Web制作会社やIT系企業への就職・転職が有利になる可能性がある

ウェブ解析士の資格を取得した後は、IT系企業やWeb制作会社への就職・転職が有利になる可能性があります。

IT系企業やWeb制作会社では、Webマーケティングに関する専門的な知識と技能を持ったエキスパートが求められています。

しっかりとした分析力と冷静な判断力のあるウェブ解析士が社内に在籍していれば、集客対策や売上向上支援に深く関わり、Web業界に大きく貢献することができるでしょう。

仕事関係の仲間が増えて人脈を広げるチャンスあり

ウェブ解析士の資格を取得した後も、Web業界ではマーケティングの技術が日々急速に進歩しています。資格取得後に積極的にセミナーや講座、交流会などに参加することによって、仕事関係の仲間が増えて人脈を広げるチャンスもあります。

人脈を広げることによって、Web業界に関する最新の情報を入手することも可能です。とくにフリーランスでWebマーケティングに携わる人は、人脈を上手に活用するのも仕事のうちです。

セミナーや講座など交流の機会を増やすことによって、仕事仲間から案件の紹介を受ける可能性もあります。

資格試験にチャレンジすることで学習意欲が向上する

ウェブ解析士の資格試験にチャレンジすることによって目標が持てるようになり、学習意欲が向上するでしょう。

試験を受けて不合格の結果になってしまった場合は、再試験にチャレンジすれば1回目の受験よりも安い費用で再受験できます。

一発合格した場合は、さらなるスキルアップを目指して上級ウェブ解析士やウェブ解析士マスターの資格取得を目指す人も多いです。Webマーケティングのスペシャリストを目指してはいかがでしょうか。

【Webマーケターを目指す方必見】ウェブ解析士の資格を取得する3つの方法【講座受講・問題集・その他】

ウェブ解析士の資格取得を目指す方法は、おもに下記の3通りです。

  • 講座を受講して資格取得を目指す
  • 独学でテキストや問題集で知識を習得
  • Web制作会社など現場で学ぶ

Webマーケターを目指す人や、Web制作会社やIT系企業への就職・転職を希望する人は必見です。

講座を受講して資格取得を目指す

ウェブ解析士の試験を実施する一般社団法人ウェブ解析士協会 (WACA) では、定期的に講座を開講しています。これまで多くの合格者を輩出してきたベテランの講師が丁寧にわかりやすく解説しているので、学習効率を高めることができます。

ウェブ解析士の知識と技能を習得するにあたり、高額なソフトを購入する必要はありません。受講期間が長期になることもなく、安い費用で学べるのが大きな利点です。

講座を受講する場合は、公式テキストの内容に沿って学習を進めていきます。Webマーケティング関連の専門用語やウェブ解析の具体的な手法について効率良く学ぶためにも、事前に予習しておくと良いでしょう。

独学でテキストや問題集で知識を習得

講座を受講せずに、公式テキストや問題集メインに独学で勉強する方法もあります。講座を受講する時間の確保が難しい人や、じっくりと時間をかけてマイペースで学習したい人に適しています。

Web制作会社など現場で学ぶ

現在Web制作会社やデジタルマーケティング専門の会社、IT系企業に勤務している人は、働きながら現場で先輩や同僚から実務的な手法を学ぶこともできます。

公式テキストや問題集で勉強していて途中でわからないところがあれば、先に資格を取得した同僚や先輩に質問すると良いでしょう。周囲からの学習サポートを受けながらメキメキ実力を伸ばすことができます。

【さらなるスキルアップを目指す人におすすめ】上級ウェブ解析士とウェブ解析士マスターの特徴を徹底比較

ウェブ解析士の資格を取得した後、さらなるスキルアップを目指して上級ウェブ解析士やウェブ解析士マスターの試験にチャレンジするケースも多いです。

ウェブ解析士よりもさらにグレードアップした上級解析士やウェブ解析士マスターの資格に着目し、それぞれの特徴を比較してみました。

上級ウェブ解析士

上級ウェブ解析士とは、社団法人ウェブ解析士協会が実施する認定試験です。ウェブ解析士の場合は、googleアナティリクスなどのアクセス解析によるデータ分析の活用で、Webマーケティングを行い、基礎知識を習得します。

一方、上級ウェブ解析士はウェブ解析士よりもさらにハイレベルな応用的知識と技能の習得を目指します。戦略の立案からKPIの策定と設計、データを活用しながら課題解決に向けて最適な施策を提案し、実行と管理業務を行うことができます。

KPIとは?

KPIとはマーケティング関連の専門用語のひとつで、英語で「Key Performance Indicator」 (キー・パフォーマンス・インジケーター)の頭文字を取った呼び方です。これを日本語に直訳すると「重要業績評価指標」 (重要達成度指標) となります。

最終目標であるゴールにたどり着くまでの各過程の達成状況の観測と、適正な評価を行うための指標として用いられます。

上級ウェブ解析士の受験要件と受験資格

上級ウェブ解析士の試験では、下記の通り受験要件と受験資格が定められています。

  • 受験申し込みの時点において社団法人ウェブ解析士協会の正会員または法人会員であること
  • ウェブ解析士の試験に合格して正式に認定を受けていること

上記の2つの条件を満たしていれば、とくに実務年数や職歴を問われることなく、上級ウェブ解析士の試験を受験できます。

ウェブ解析士マスター

ウェブ解析士の3種類の資格のうち、もっとも難易度が高いのがウェブ解析士マスターです。Web制作会社やデジタルマーケティングの現場において、アクセス解析などを行うだけにとどまらず、講座やセミナーを開講するなど指導者としての道も開けます。

ウェブ解析士マスターの受験要件と受験資格

ウェブ解析士マスターの受験要件と受験資格は下記の通りです。

  • ウェブ解析士協会の正会員または法人会員であること
  • 上級ウェブ解析士の資格取得者であること

ウェブ解析士マスターの資格取得を目指せる講座

ウェブ解析をはじめとするWebマーケティングのプロフェッショナルとして活躍したい人、コンサルティングのスキル向上を目指す人におすすめの資格です。

ウェブ解析士マスターの資格取得を目指す人を対象とした講座では、マクロ解析レポートコース・ミクロ解析レポートコース・講師養成コースなどがあります。

これからウェブ解析士マスターの試験にチャレンジしたい方は、2023年版の最新情報をチェックしておくと良いでしょう。

【補足事項】資格の有効期限と維持について

社団法人ウェブ解析士協会が実施する試験に合格した後、必ず有効期限を確認しましょう。資格有効期限は毎年12月31日までとなっており、翌年以降に資格を維持するには年会費を協会に納める必要があります。

さらに、フォローアップテストを受けてこれをクリアしなければなりません。

ただし、11月1日から同年12月末までに認定を受けた場合は、今年度の年会費とテストを受ける必要はなく、更新手続きとテスト実施は翌年からとなります。

ウェブ解析士の資格を取得するまでの学習の流れを公開

ステップ

一般社団法人ウェブ解析士協会 (WACA) が主催するウェブ解析士認定試験の受験について、学習準備の開始から受験・合格・認定までのおおまかな流れについて解説します。

ウェブ解析士の資格取得までの道のりは、下記の通り7ステップです。

ウェブ解析士の講座申し込みと公式テキスト購入

学習を始める前の準備として、ウェブ解析士の認定講座の申し込み手続きを行います。資格取得の勉強に必要な公式テキストを購入します。

認定講座の受講は強制ではありませんが、ウェブ解析士の資格取得に向けて学習効率を高め、学習内容をより深く理解するためにも、受講するのがおすすめです。

公式テキストを購入する際は、下記の2通りの方法があります。

  • 一般社団法人ウェブ解析士協会 (WACA)の公式サイトで購入する方法
  • Amazon (アマゾン) や楽天市場など通販サイトで購入する方法

通販サイトで公式テキストを購入する際の注意点

通販サイトから購入する場合は、2021年版などの中古品が出回っている場合もありますのでご注意下さい。

2023年に受験予定の場合は、2023年度の最新版のテキストや問題集を選びましょう。必ず最新年度に沿ったテキストを選び、間違いのないように注文しましょう。

なお、ウェブ解析士協会では年度の期間は、1月1日から同年の12月31日までが一区切りとなります。学習カリキュラムの内容は年度ごとに更新されます。

ウェブ解析士認定講座の受講料金の支払い

ウェブ解析士認定講座を受講する場合は、受講料金を支払います。受講料は2022年12月の時点で11,000円(税込)ですが、公式サイトで必ず最新の情報を確認して下さい。

講座を受講して学習を進める

学習の準備が整ったら公式テキストの内容に沿って講座を受講して勉強を進めます。認定講座の受講形態はZoomによるオンライン対応で、指導経験豊富な講師が講座を担当しています。

公式テキストや問題集を上手に活用しながら簡単な問題からチャレンジして、学習仕上げの段階で模擬テストを行うなど、しっかりとした実力を身につけましょう。

受講修了後に試験の申し込み手続き

認定講座の受講が修了したらウェブ解析士試験のスケジュール・受験要綱などを確認の上、申し込み手続きを行います。

受験の申し込み手続きは、社団法人ウェブ解析士協会 (WACA) の公式サイトから行います。受験料は17,600円(税込)で、受験料と認定料込みです。

受験申し込み日から2日以内に受験案内のメールが届くことを必ず確認しましょう。万が一、2日過ぎてもメールが来ない場合は、念のため迷惑メールフォルダをチェックしてみて下さい。

ウェブ解析士の認定試験を受験する

ウェブ解析士の認定試験はオンラインの通信環境で受験します。受験前に、インターネットの通信環境の状態を入念にチェックして不具合がないことを確認しましょう。試験の開催日から14日間は、自分の都合の良いタイミングで受験することが可能です。

合格通知・修了レポート作成と提出

試験が終わった直後に合否判定されるので、必ず結果を確認しましょう。試験に合格した際には、Googleアナリティクスを活用したレポートを作成して提出する必要があります。

データを活用しながら課題の発見や検証など実務的な内容について、理解を深めることができます。

なお、レポートの提出期限は、受験日 (合格した日) から2週間以内です。たとえば、10月1日に受験した場合は、2週間後の10月15日23時59分が期限となります。必ず期限を守り早めにレポートを提出しましょう。

ウェブ解析士として正式に認定を受ける

修了レポートを提出した後、ウェブ解析士として正式に認定を受けます。

ウェブ解析士とは?難易度や合格率、資格取得のメリットについて解説 まとめ

この記事では、ウェブマーケティングのプロフェッショナルを目指すのに必要とされる資格として、ウェブ解析士について解説しました。

ウェブ解析士の試験合格に向けて、幅広い知識を無料で学べるセミナーもあります。試験の日程・受験要綱・講座・テキスト・問題集など、詳しい内容は一般社団法人ウェブ解析士協会の公式サイトにアクセスして、ウェブ解析士試験のページにて最新の情報をご確認下さい。

ウェブ解析士の資格に合格したら、上級ウェブ解析士やウェブ解析士マスターの試験にチャレンジして、さらなるスキルアップを目指してはいかがでしょうか。

資格を取得することによって高度な知識と技術を習得し、年収アップの可能性もあります。Web制作会社やウェブマーケティング専門の会社で、信頼される存在となれるでしょう。