【EFOとは?】無料のお問い合わせフォームを使って離脱を改善
お客様が問い合わせフォームに入力するのは、あなたの会社の商品やサービスにある程度関心をもっているからです。
購入を検討するために、さらに詳しい情報を尋ねようとしてくれているのかもしれません。
そう考えると、問い合わせフォームは売上げに直結する重要なツールといえます。
しかし、2021年のUX調査企業Baymard社の統計によると69.80%の人々が入力途中で離脱しています。
せっかく関心をもってくれたユーザーが、問い合わせフォームが入力しづらいために離脱してしまうのは非常にもったいない状況です。
離脱する7割のユーザーを、数%だけでも減らすことはできないのでしょうか?もし6割に減らせれば、コンバージョンの向上も期待できます。しかし、入力完了率を上げるのは容易ではなく、工夫が必要です。
EFO(Entry Form Optimization)という言葉はご存じでしょうか?
EFOというのは「入力フォーム最適化」を指し、Webサイト上でアクション(会員登録・資料請求・購入等)するとき、入力フォーム、いわゆるメールフォームでユーザにストレスなくスムーズに入力してもらう対策になります。
メールフォームにたどり着くユーザーはアクションの意欲が高いはずですが、実は想像以上に多くのユーザーがメールフォーム画面から離脱します。
この記事では、ユーザーが離脱する原因を分析し、ユーザーにとって入力しやすい問い合わせフォームとは何かを明確にし、入力完了率を上げるためのポイントをEFOというキーワードを踏まえて解説していきます。
読み終える頃には、フォームを改善するためにどうすれば良いかが明確になりますので、ぜひ最後までお読みくださいね。
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目次
EFO(入力フォーム最適化)とは?
EFOとはEntry Form Optimizationの略で、「入力フォーム最適化」という意味です。
ユーザーが問い合わせフォームにて入力をできるだけストレスなくスムーズに完了できるように対策をすることです。
検索エンジンからの流入が多い、リスティング広告でのクリック率の高いのにに問い合わせがない場合などはEFOを検討する必要があるかもしれません。
特にヒートマップ解析等でメールフォームでの離脱が見受けられるようであれば、間違いなく「EFOを実行すべき」といえるでしょう。
フォームは会員登録・資料請求・購入等、設置する目的に合わせて最小限の項目に最適化する必要があります。
不要な項目を除外して、入力の手間を極力省き、離脱を防ぐためです。
また、お問い合わせフォームは営業担当が横について顧客が疑問に思うことに一つずつ答えていけるわけではないため、予め想定される質問や、不安に答えられるような構成にする必要があります。
フォームを改善すれば、成約率が向上し、売上拡大につながることが期待できます。
EOFで問い合わせフォームの改善。CV率が35.26%向上!?
お問い合わせフォームに入力するのはユーザーにとっては面倒な作業です。お客様がわざわざ時間を割いて問い合わせてくださったら、マニュアル通りに対応するのではなく、問い合わせに感謝し、親切・丁寧な対応を心がけましょう。
そうすることで、ユーザーが企業のファンになり、コンバージョンに繋がるかもしれないからです。
そして、問い合わせフォームは「ユーザーファーストで設計する。」これが大原則です。問い合わせフォームは、問い合わせをしたいユーザーのためにあるので、ユーザーファーストで考えていきましょう。
どうすれば「ユーザーがストレスなく入力できるか」を考えて問い合わせフォームを作っていけば、最終的にはユーザーにとって入力しやすいフォームが完成します。
フォームの設計変更によって、離脱の問題はどの程度改善の見込みがあるのでしょうか?
米国とEUの過去10年間のテストで「解決可能」と判断された使い勝手の問題のみに焦点を当てると、平均的なECサイトでCV[i](コンバージョン)率が35.26%向上する可能性があります。
米国とEUでの合計7,380億ドルの電子商取引の売上高を考えると、「フォームの最適化により2600億ドルが回収可能」という事になります。
問い合わせフォームを改善するのも、入力完了率と共に業績を上げるために必要なプロセスです。
ここからは離脱する原因と改善方法を具体的に考えていきます。
[i] 「Conversion」の略で、マーケティング用語としては「成果」という意味合いがあります。
EFOで問い合わせフォームから離脱の改善ポイント
離脱する11の原因に対しての改善ポイントは下記の通りです。
一つずつ分析していきましょう。
- 問い合わせフォームの項目は必要最小限にする
- 個人情報に関わる項目は最小限にする
- 情報が必要な理由を明記して離脱を避ける
- 必須項目を明記して離脱を避ける
- エラー箇所が一目で分かるようにする
- 1つの項目内で入力フォームを分割しない
- スマホでの見やすさ、操作性も考慮する
- CTAボタンを工夫し、際立たせる
- 入力補助機能でユーザーをサポートする
- 問い合わせフォームでの広告やリンクを避ける
- 情報を安心して入力できるようにする
問い合わせフォームの項目は必要最小限にする
離脱する要因の一つは「問い合わせフォームの項目が多い」ことです。下記のUX調査企業Baymard社の統計では、「長過ぎる」と感じさせるフォームは18%の離脱を招いています。
引用資料:Baymard社の統計
運営側は「オシャレなデザインの方がいいだろう」「この情報も入力してもらった方がいいだろう」という風に、良かれと思って追加していってしまいます。
しかし、ユーザーはできる限り「簡単に問い合わせを済ませたい」と思っているので、ズラリと並んだ入力フォームを見ただけで離脱してしまいます。ですから、実際には引き算がとても重要なのです。
客観的に見て、自社の問い合わせフォームは、「申し込みフォーム」のようになっていないでしょうか?
あくまで問い合わせフォームであることを忘れないでください。
できるだけ多くの顧客情報を取得したいところですが、問い合わせの段階では「詳細な情報は必要ないはず」と、ユーザーは思っています。
詳細な情報の入力は契約の段階に譲り、最低限必要な項目だけに留めましょう。
極端にいえば、問い合わせフォームは以下の項目だけでも成り立ちます。
- 電話番号やメールアドレスなどの連絡先情報
- 問い合わせ内容の入力欄
最初の項目から送信ボタンまで、スクロールしなくても見渡せる長さが理想です。なぜなら、その長さであれば、どれほど時間がかかるかある程度予測できますし、見た目の印象として「入力を完了するのにそれほど時間はかからない」と感じるからです。
また、上記の調査結果によると、24%のユーザーが、「アカウントを作成しなければいけない」ために離脱していますので、問い合わせの段階ではアカウントの作成を促さない方がいいでしょう。
個人情報に関わる項目は最小限にする
個人情報の管理について、ユーザーが心配しないようにプライバシーポリシー[i]を掲載する必要があります。
個人情報に関わる質問はできる限り避け、プライバシーを尊重してください。ユーザーは「答えたくない質問」を見ると離脱してしまうからです。
例えば、初対面のお客様に、いきなり「年収はいくらですか?」と尋ねたりするでしょうか。例え必要な情報だとしても、ある程度コミュニケーションを取り、信頼関係を築いてから尋ねるでしょう。
しかし、問い合わせフォームには、ユーザーが答えたくない項目が溢れているのです。そのような問い合わせフォームは、すぐに離脱されてしまいます。
[i] 企業が個人情報をどのように保護し、プライバシーをどのように尊重するかを明示したものです。
情報が必要な理由を明記して離脱を避ける
ユーザーからの問い合わせに答えるために当然必要な情報だとしても、その情報を求めている理由が明記されていないと、残念ながら離脱率は上がってしまいます。
THE MANIFESTというサイトが、ユーザーがフォームから離脱する原因について調査した結果によると、情報が必要な理由が明記されていないために、10%のユーザーが離脱しているのです。
サービスの特性上どうしても必要な項目があれば、なぜその情報が必要なのかを簡潔に説明すると、入力してもらえる可能性が上がります。
具体的には、ローンの見積もりのために年収の情報が必要であれば、その旨を記載するということです。
ユーザーの観点から考えても、自分が「知りたい情報を得るために必要な項目」だと納得できれば、入力する気になれるでしょう。
必須項目を明記して離脱を避ける
必須項目を明記するのが重要なのはなぜでしょうか?ユーザーが「入力が終わった」と思って送信ボタンを押したときに、「必須項目を入力してください」というエラーメッセージを見て離脱するのを防ぐためです。
ユーザーの観点からすると、「最初に言ってほしい」というのが本音でしょう。ですから、必須項目を明記するのは重要であり、親切です。
「*」マークが必須項目としているサイトも散見されますが、見落としてしまうと、上記のような事態を招いてしまいます。
『「*マークが必須項目です」って明記してますよ。』と言っても、「分かりにくい」と言われるのは目に見えています。
「※は必須項目です。」とハッキリ明記し、ユーザーにとって分かりやすいようにしましょう。
エラー箇所が一目で分かるようにする
この機能はとても重要です。エラーメッセージが出てもどこがエラーなのかが分からなければ、ユーザーはあきらめて離脱してしまうからです。
特に、どこをどのように直したらよいのかさえ分からない問い合わせフォームは、まるで正解の基準が分からないクイズに、延々と付き合わされているかのように苦痛に感じるので気を付けてくださいね。
予め入力例を記載しておくと、クイズのヒントのように何を入力すればよいかが分かりやすくなるため、入力完了率の向上に役立ちます。
また、顧客が送信ボタンを押してからエラーメッセージが表示されると、より一層ストレスを感じ、離脱される可能性が高くなってしまいます。
一方、リアルタイムでエラーメッセージを表示させれば、まるで担当者が横について入力方法を説明して誘導するかのように、スムーズに入力を進められるでしょう。
1つの項目内で入力フォームを分割しない
パソコンで入力する場合は「Tabキー」などで簡単に次の入力欄に進めますが、スマホの場合に入力フォームが分割されていると、タップしなければならない回数が増え、誤操作に繋がる恐れがあります。
操作性が良くないと、顧客はストレスを感じて離脱してしまうため、1つの項目内で入力フォームを分割しないようにしましょう。
例えば、電話番号をハイフンで分割したり、氏名を「姓」と「名」に分割したりするのを避けるということです。
スマホでの見やすさ、操作性も考慮する
通常、問い合わせフォームはパソコンを使って作成するので、パソコンで見るとバランスよく見えるのですが、スマホで見たときに非常に見にくく、操作しにくいケースがよくあります。
総務省による2021年2月10日時点のデータでは、日本のスマホ普及率は90%近くです。日本全体での「モバイルを使用したアクセス」は75.1%と割合が高まっているため、スマホでの画面の見やすさ、操作性がますます重要になってきています。
引用資料:令和3年版 情報通信白書のポイント – 総務省第1章(1)国民生活におけるデジタル活用の現状と課題①
スマホの小さな画面で入力欄の間隔が狭過ぎると、次の入力欄をタップして進む操作が難しくなってしまいます。不必要に離脱率を上げないためにも、スマホでの見やすさ、操作性も考慮しましょう。
上記で取り上げたように、1つの項目内で入力フォームを分割しないことによっても、スマホでの操作性を改善でき、入力完了率の向上を期待できます。
参考資料:The proportion of mobile searches is more than you think – What you need to know – SISTRIX
関連記事:レスポンシブ対応のメールフォーム。特徴や参考にしたいメールフォームをご紹介。
CTAボタンを工夫し、際立たせる
CTAとは「Call To Action」の略で、「顧客に促したい行動」のことです。例えば、問い合わせフォームでのCTAは「問い合わせはこちら」等のボタンになります。
CTAボタンを押せば、直感的にユーザーが望んでいるアクションを起こせることが分かるように、色やデザインを工夫して目立たせる必要があります。
CTAボタンのマイクロコピー[1]を工夫するのも大切です。なぜなら、このマイクロコピーがクロージングの役目の一端を担うからです。
このCTAボタンをユーザーが見た時点で、顧客の不安を取り除けていなければ離脱してしまいます。
[1] CTAボタンなどに使われる文言。例:「資料請求をする」等。
関連記事:CTAとは?CTAを設置する重要性と期待される効果について徹底解説
例えば、問い合わせをしようとしているときに、「営業がしつこいんじゃないか?」とふと考えてしまうと、そのまま離脱してしまう可能性が高いでしょう。しかし、その横に「しつこい勧誘は致しません」と書いてあれば、ユーザーは安心して問い合わせできます。
マイクロコピーの重要性を示す有名な実例があります。
アメリカの大統領選で、オバマ大統領の選挙ページにおいて、メルマガの購読ボタンのマイクロコピーを色々と変えて、A/Bテストが実施されました。
皆さんは下記の3つのうち、どれが最もメルマガの登録率を上げると思いますか?
上から順に日本語に訳すと、下記のようになります。
- もっと情報を得る
- 今すぐ登録する
- 登録する
答えは下記の画像をご覧ください。
元々の文言は「登録する」でしたが、「もっと情報を得る」に変えただけで18%も登録が増えたのです。
「メルマガに登録する」というアクションは同じですが、確かに「登録する」よりも、「もっと情報を得る」の方が気軽に登録できますね。
画像は親しみやすい家族写真が効果的で、その他の施策も功を奏し、新規のメルマガ購読者は288万人に達しました。結果はいうまでもありませんが、オバマ大統領が実権を握ることになりました。
オバマ大統領の事例のように、送信ボタンということが分かりやすい配色とデザインにし、クリックをためらわせないような文言にすると非常に効果的です。
このように、A/Bテストの繰り返しによって、問い合わせフォームの入力完了率を改善していけるのです。
引用資料:How Obama raised $60 million by running a simple experimen
入力補助機能でユーザーをサポートする
多くのユーザーは入力補助機能を利用した経験があり、その便利さを知っているため、この機能がないと「面倒」に感じ、離脱に繋がる恐れがあります。ユーザーが楽に入力できるように、入力補助機能を実装しておきましょう。
入力補助機能には下記のようなものがあります。
1.自動入力
自動入力は、例えば郵便番号を入力すると該当の住所が入力される機能です。
2.フリガナ自動補完
氏名などの漢字を入力すると、自動的にフリガナも入力され、入力をサポートします。
3.セレクト機能
選択肢が限られる項目はセレクトボックスやラジオボタンなどを活用すると良いでしょう。ユーザーは選択するだけでよいため、自由入力形式よりも簡単で、負担が軽減されます。
4.カレンダー入力
カレンダー形式から選択すればよいので、楽に入力できます。また、入力形式が統一されるので、誤入力を未然に防止できます。
5.入力制限機能
「半角英数字」など、指定した文字で入力するよう制限できるので、誤入力のためにエラーになり、結果的に離脱するのを防げます。
広告やリンクを避ける
11%の人々が広告やリンクを含むフォームから離脱してしまうことを、THE MANIFESTの調査は明らかにしています。
問い合わせフォームの入力中に、他社の広告に誘われてユーザーが離脱する以上に悔しいことはないかもしれません。
ですから、自社に導入する問い合わせフォームを選ぶ時点で、広告のないサービスを選ぶ必要があります。
関連記事:無料のお問い合わせフォーム作成ツール「広告なし・著作権表示なし」
情報を安心して入力できるようにする
THE MANIFESTの調査の中で最も大きな離脱理由が「セキュリティの不安」で、29%が離脱しています。
この問題を回避するためには、「https」による暗号化通信によってWEBサイトのセキュリティを向上させる必要があります。
詳しくは「 ユーザーが安心して情報を入力できるようにする」をご覧ください。
関連記事:EFOとは?お問い合わせフォームで離脱を防ぎ、コンバージョンを劇的に向上させる7つの方法
離脱を改善できるEFO対応の問い合わせフォームとは?
問い合わせフォームから離脱してしまう原因と、入力完了率を向上させるための改善ポイントを解説させて頂きました。
きっと、これらの「離脱原因と改善ポイントすべてをカバーできる問い合わせフォームがあったらいいな」と思われるでしょう。
それがあるんです!EasyMailは、本記事で取り上げた、問い合わせフォームから離脱してしまう11の原因と、入力完了率を向上させるための11の改善ポイントをすべて網羅しています。
しかもEFO[i]効果のある機能が15もあるのに無料!しかし、決して無料だからではなく、高機能だからこそおすすめしたいツールです。
EasyMailは、ユーザーが入力をストレスなく進められるよう様々な工夫を凝らしていて、EFO機能が充実した問い合わせフォームを手軽に作れます。
MITライセンスの下、商用利用にも自由に無料で利用でき、無制限に作成できるため、問い合わせフォームだけでなく、申し込みフォームやメールフォーム等にも幅広く利用できますよ。
EasyMailの機能については「15のEFO機能が無料で無制限に使えるおすすめツール」をご覧ください。
[i] 「Entry Form Optimization」の略。「入力フォーム最適化」という意味がある
【EFOとは?】無料のお問い合わせフォームを使って離脱を改善
ご紹介した11の改善方法は、すべて問い合わせフォームを最適化するだけで改善できるものです。
もちろん、EasyMailを利用すれば、自社で費用をかけずに作成できますが、人的リソースを割けない場合もあるでしょう。その場合は、ノウハウを知り尽くした「フォームを作るプロのサポートを受ける」という選択肢があります。
この記事を参考に、ぜひ問い合わせフォームを改善して、業績の向上にお役立てくださいね。
参考資料:6 Steps for Avoiding Online Form Abandonment | February 2020