オフショア開発とは?費用相場・メリット・デメリット・失敗しない進め方【2026年】

オフショア開発とは何かを解説するアイキャッチ画像

この記事の監修者

齊藤 真也

株式会社ファーストネットジャパン 代表取締役

1998 年創業時からアプリ開発・Web マーケティング・フルリモート SES・ホームページ制作・翻訳・グラフィックデザインなど幅広い IT/クリエイティブ領域を手がけ、4,000 件超のプロジェクトを統括。高松市出身。「圧倒的努力」を座右の銘に、技術とデザインの両面でクライアントの課題解決を支援してきました。
本ブログでは、最新の Web トレンドや AI 活用、マーケティング施策の実践知をわかりやすく発信し、読者の皆さまの事業成長を後押しします。

オフショア開発とは、システム開発やアプリ開発の一部または全部を海外の開発会社・開発拠点へ委託する手法です。国内より低い人月単価でエンジニアを確保できる可能性があるため、開発コストの削減やIT人材不足への対応策として利用されています。

ただし、「海外だから安い」という理由だけで発注先を決めるのは危険です。仕様確認の往復、ブリッジSEの費用、品質管理、追加修正、開発後の保守まで含めると、当初の見積もり以上に費用がかかることがあります。

一方、発注側と開発側の体制が整っていれば、オフショア開発は有力な選択肢です。重要なのはオフショア開発を一律に良い・悪いと判断することではなく、案件の規模、仕様変更の頻度、社内のPM体制、保守期間まで含めて国内開発・ニアショア開発と比較することです。

本記事では、オフショア開発の意味、契約形態、2026年時点で参考にできる国別人月単価、メリット・デメリット、失敗する原因、進め方、ニアショア開発や国内フルリモートとの違いまで解説します。

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オフショア開発とは

オフショア開発とは、日本企業がシステム開発・アプリ開発・ソフトウェアテストなどの業務を、海外の開発会社や海外拠点へ委託する開発手法です。

主な委託先として、ベトナム、中国、インド、フィリピン、バングラデシュなどがあります。

2025年版の「オフショア開発白書」では、調査対象における発注先国の割合はベトナムが43%で最も高く、中国21%、インド14%と続いています。現在のオフショア開発は、単純なコスト削減だけでなく、国内で不足するIT人材の確保や開発体制の拡張を目的として利用されるケースもあります。

※出典:オフショア開発.com「オフショア開発白書(2025年版)」

ブリッジSEとは

日本企業がオフショア開発を利用する場合、日本側と海外の開発チームをつなぐ「ブリッジSE(BrSE)」を配置することがあります。

ブリッジSEは単なる通訳ではありません。日本側の要件を理解し、設計や技術仕様へ落とし込み、海外のエンジニアへ正確に伝える役割を担います。

そのため、オフショア開発の成否は開発者個人の技術力だけでなく、ブリッジSEやPMの要件整理力・コミュニケーション力にも左右されます。

オフショア開発の主な契約形態

契約・運用形態 内容 向いているケース
ラボ型 一定期間、専属または準専属の開発チームを確保する 継続開発、アジャイル開発、仕様変更が発生するサービス
請負型 仕様、成果物、納期を決めて開発を委託する 要件が明確で、完成条件を定義しやすい案件
BOT型 現地チームを構築・運用した後、自社拠点として移管する 中長期的に海外開発拠点を持ちたい企業

以前は「仕様を固めて海外へ実装だけを発注する」という使い方が中心でしたが、現在はラボ型で継続的な開発チームを確保する方法も普及しています。

そのため、オフショア開発が向いているかどうかは「仕様が完全に確定しているか」だけでは判断できません。要件を整理し、優先順位を決め、成果物をレビューできる体制があるかも重要です。

オフショア開発の費用相場|国別の人月単価

オフショア開発の費用を比較するときは、国ごとの平均単価だけでなく、職種ごとの単価を見る必要があります。

2025年版「オフショア開発白書」に掲載されている主な国の平均人月単価は以下のとおりです。

プログラマー シニアエンジニア ブリッジSE PM
ベトナム 40.1万円 50.0万円 59.0万円 71.4万円
フィリピン 37.2万円 47.5万円 60.5万円 63.5万円
インド 37.5万円 45.0万円 60.0万円 67.5万円
中国 58.3万円 71.7万円 75.8万円 84.6万円
バングラデシュ 33.8万円 52.5万円 82.5万円 72.5万円

※1人月あたりの平均値。実際の見積もりは開発会社、技術、経験、日本語対応、契約期間、案件規模によって異なります。出典:オフショア開発.com「オフショア開発白書(2025年版)」

注目したいのは、「海外ならどの国でも同じように安い」という状況ではないことです。

2025年の調査では、中国は各職種の単価が上昇する一方、インドやフィリピンでは前年より低下しており、国によって単価動向が分かれています。

ベトナム

日本企業からのオフショア開発先として特に利用されている国です。プログラマーの平均人月単価は40.1万円、ブリッジSEは59.0万円となっています。

日本向け開発の経験を持つ企業を探しやすく、Webシステム、業務システム、スマートフォンアプリなど幅広い案件で候補になります。

フィリピン

プログラマーの平均人月単価は37.2万円です。英語でのコミュニケーションに強みがある一方、日本語を前提とする案件では日本語対応者やブリッジSEの体制確認が重要になります。

インド

プログラマーは37.5万円、シニアエンジニアは45.0万円が平均値です。大規模な人材市場を持ち、クラウド、AI、データ、エンタープライズ開発など幅広い技術領域が候補になります。

ただし、日本企業向け案件では英語を中心にコミュニケーションを行うケースもあるため、自社側の対応体制を確認しておく必要があります。

中国

プログラマー58.3万円、PM84.6万円と、今回比較した主要国の中では比較的高い水準です。

中国を選ぶ際は単純な低価格だけを期待するのではなく、必要な技術力、開発スピード、既存実績などを含めて判断することが重要です。

人月単価だけでは総額を判断できない

オフショア開発では、エンジニアの人月単価以外にも以下の費用・工数が発生する可能性があります。

  • ブリッジSE・PMの費用
  • 要件を翻訳・整理する工数
  • 日本側でのレビュー工数
  • テスト・品質管理の工数
  • 仕様認識のズレによる修正
  • 現地との契約・管理費用
  • 開発後の保守・引き継ぎ費用

同白書の調査では、国内開発と比較したコスト削減率として「31〜40%」と回答した企業が31%、「41〜50%」が25%でした。一方、導入初期や小規模案件では十分なコストメリットが得られないケースもあるとされています。

つまり「国内の半額で必ず開発できる」と考えるのではなく、案件ごとに総額を比較する必要があります。

オフショア開発のメリット

開発費を抑えられる可能性がある

国内エンジニアより人月単価が低い国を選べば、実装・テストなど工数の大きい工程で開発費を削減できる可能性があります。

特に一定規模以上の開発を継続して発注する場合は、チーム立ち上げに必要な初期コストを分散しやすくなります。

国内で不足するエンジニアを確保できる

国内だけでエンジニアを採用・外注しようとすると、必要な人数を短期間で確保できないことがあります。

海外の開発会社を含めて候補を広げることで、開発チームを組成しやすくなる点は大きなメリットです。

継続的な開発チームを確保できる

ラボ型では、一定期間チームを確保しながら優先順位の高い機能から順に開発できます。

SaaS、Webサービス、スマートフォンアプリなど、継続的な改善を前提とするプロジェクトでも活用可能です。

オフショア開発のデメリット・リスク

コミュニケーションに追加工数がかかる

言語や商習慣が異なるため、日本国内での開発より仕様確認に時間がかかることがあります。

「言ったつもり」「伝わったつもり」を防ぐため、仕様書、画面設計、受け入れ条件などを明文化することが重要です。

品質管理を開発会社任せにしにくい

開発者のスキルだけでなく、設計ルール、コードレビュー、テスト方法、成果物の定義によって品質は大きく変わります。

動作するだけでなく、将来改修しやすいコードになっているかも確認する必要があります。

為替の影響を受ける可能性がある

契約通貨によっては為替変動の影響を受けます。長期契約の場合は、単価改定条件や為替変動時の取り扱いも確認しておきましょう。

保守・引き継ぎが難しくなる場合がある

開発チームの変更・解散、担当者の退職などにより、開発後の保守担当者が変わる可能性があります。

ソースコードだけ納品されても、設計書や環境構築手順がなければ他社が引き継ぐのは容易ではありません。

オフショア開発が失敗する5つの理由

オフショア開発が失敗する5つの理由をまとめた図解

1. 要件が曖昧なまま開発を始める

発注側が「詳細は開発会社で考えてほしい」と依頼し、開発側も認識を確認しないまま実装へ進むと、完成後に大きなズレが発生します。

すべての仕様を事前に確定する必要はありませんが、少なくとも目的、対象ユーザー、必須機能、優先順位、完成条件は共有しておく必要があります。

2. ブリッジSEの能力を確認していない

日本語が話せることと、業務要件を技術仕様へ変換できることは別です。

契約前に、実際にプロジェクトを担当するPM・ブリッジSEと面談し、過去の担当領域や要件定義・設計の経験を確認しましょう。

3. 日本側にレビューする担当者がいない

海外チームへ発注した後、納品まで開発会社へ任せきりにすると、問題の発見が遅れます。

定期的なデモ、進捗確認、コードレビュー、テスト結果の確認など、途中で品質を確認できる仕組みが必要です。

4. 最安値だけで開発会社を選ぶ

安い見積もりの中に、要件定義、テスト、PM、ドキュメント作成、保守などが含まれていない場合があります。

見積金額だけでなく、どの工程・成果物が含まれているかを比較してください。

5. 開発後の保守・引き継ぎを決めていない

最も避けたいのは、リリース後に「誰もシステムの中身を理解していない」という状態です。

契約前に、ソースコード、設計書、データベース定義、環境構築手順、テスト仕様書、運用手順など、必要な成果物を定義しておきましょう。

オフショア開発を比較するときは、初期開発費だけでなく、開発後3〜5年間の保守・改修まで含めたTCO(総保有コスト)で判断することが重要です。

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オフショア開発の進め方

STEP1. 開発目的と対象範囲を決める

まず「何を海外へ発注するのか」を決めます。システム全体を委託する方法だけでなく、実装、テスト、保守など一部工程だけを切り出す方法もあります。

STEP2. 発注先候補を比較する

国や単価だけではなく、類似案件の実績、技術領域、PM体制、日本語対応、品質管理、セキュリティなどを確認します。

STEP3. 小規模な案件から確認する

初めて取引する会社であれば、いきなり大規模開発を発注するより、PoCや一部機能など比較的小さな範囲から開発品質とコミュニケーションを確認する方法があります。

STEP4. 開発・レビュー方法を決める

定例会議、課題管理ツール、ソースコード管理、テスト方法、承認フローなどを決めます。

STEP5. 納品後の保守まで契約前に確認する

リリース後の障害対応、軽微修正、追加開発、担当者変更時の引き継ぎルールまで確認しておきましょう。

ニアショア開発とは|オフショア開発との違い

ニアショア開発とは、国内の地方都市などにある開発会社・開発拠点へシステム開発を委託する方法です。

海外へ委託するオフショア開発と異なり、日本語や国内法、商習慣の違いによるコミュニケーション負荷を抑えやすい点が特徴です。

比較項目 オフショア ニアショア
開発拠点 海外 日本国内の地方都市など
人月単価 低くなる可能性が高い 都市部より抑えられる場合がある
言語 ブリッジSE等が必要な場合がある 日本語で完結
時差 国によって発生 基本的になし
為替リスク 契約条件によってあり 基本的になし
品質管理 開発会社の体制確認が特に重要 国内企業との取引と同様に管理しやすい

オフショアより単価が高くても、コミュニケーションや管理にかかる工数を含めると、ニアショアのほうが総コストを抑えられるケースもあります。

オフショア・ニアショア・国内フルリモートを比較

オフショア開発・ニアショア開発・国内フルリモート開発の違いを比較した図解

現在は、開発拠点そのものを固定しない「国内フルリモート」という開発体制もあります。

国内各地のエンジニアをオンラインで組成するため、都市部の拠点だけで人材を採用する場合より候補を広げられる一方、日本語でコミュニケーションできます。

比較項目 オフショア ニアショア 国内フルリモート
主な目的 コスト・リソース確保 国内でコスト・リソースを最適化 国内人材を地域に限定せず確保
コミュニケーション 言語・文化差への対応が必要 日本語 日本語
為替リスク 契約条件による 基本的になし 基本的になし
向く案件 一定規模以上の継続開発、体制を管理できる案件 国内対応を重視しつつコストを抑えたい案件 仕様変更・追加開発・長期保守が多い案件

どの方式が最も優れているということではありません。

例えば、大量の実装リソースを長期間確保したい企業ではオフショアが有力です。一方、社内にPMや技術責任者がおらず、要件整理から開発会社へ相談したい場合は国内企業のほうが進めやすい場合があります。

オフショア開発が向いている企業・国内開発が向いている企業

状況 検討しやすい開発体制
まとまった開発リソースを中長期で確保したい オフショア
社内にPMや技術レビュー担当者がいる オフショアも有力
アジャイルで継続的にサービスを改善したい ラボ型オフショア/国内開発
要件がまだ整理されていない 上流工程から対応できる国内開発会社
日本語で頻繁に仕様調整したい ニアショア/国内フルリモート
既存システムを5年以上継続して改修・運用したい TCOと保守体制を含めて比較

発注前に確認したい5項目

  1. 成果物:ソースコード、設計書、DB定義、テスト仕様書、運用手順書の範囲
  2. 権利関係:ソースコードの著作権・利用権・他社改修の可否
  3. 担当者:実際に担当するPM・ブリッジSEの経験
  4. 品質管理:レビュー、テスト、セキュリティチェックの方法
  5. 保守体制:リリース後の障害対応・追加開発・引き継ぎ方法

また、見積もりを比較する際は総額だけでなく、要件定義・設計・テスト・データ移行・保守などが含まれているか確認してください。

国内フルリモート開発ならファーストネットジャパン

株式会社ファーストネットジャパンのシステム開発サービス

株式会社ファーストネットジャパンは、1998年創業、累計4,000件超の実績を持つシステム開発会社です。

大阪・東京の拠点に加え、国内各地のエンジニアと連携するフルリモート開発体制を構築しています。

業務システム、Webシステム、スマートフォンアプリ、API連携、クラウド環境、既存システムの改修・リプレイスなどに対応し、要件定義から設計・開発・テスト・公開後の保守までご相談いただけます。

オフショア開発そのものを否定するのではなく、案件の要件、社内体制、予算、保守期間を確認したうえで、国内開発が適するかを含めて整理することが重要です。

ファーストネットジャパンのシステム開発サービスを見る

設立 2004年12月(1998年8月創業)
実績 累計4,000件超
サービス 業務システム開発/Webシステム開発/スマートフォンアプリ開発/API連携/クラウド構築/既存システム改修・リプレイス/運用保守/フルリモSES
推奨企業 オフショアと国内開発を比較している企業、要件整理から相談したい企業、既存システムの保守・引き継ぎ先を探している企業
電話 06-6777-3688
営業時間 平日9:30〜18:30
所在地 大阪市中央区南久宝寺町1-7-10 シャンクレール南久宝寺201
東京都港区港南2-17-1 京王品川ビル2F C-40
URL システム開発サービス公式サイト

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よくある質問(FAQ)

Q. オフショア開発とは簡単にいうと何ですか?

日本企業がシステム開発やアプリ開発などを海外の開発会社・海外拠点へ委託する開発手法です。コスト削減だけでなく、国内で不足するエンジニアリソースを確保する目的でも利用されています。

Q. オフショア開発の費用は国内開発より安いですか?

エンジニアの人月単価は国内より低くなる場合があります。ただし、ブリッジSE、PM、仕様確認、品質管理、追加修正などの工数も必要です。人月単価だけでなく、開発後の保守まで含めた総コストで比較してください。

Q. オフショア開発で人気の国はどこですか?

2025年版「オフショア開発白書」の調査では、ベトナムが43%で最も多く、中国21%、インド14%と続いています。国だけで判断せず、実際に依頼する開発会社の実績・技術・品質管理体制を確認することが重要です。

Q. オフショア開発が失敗する原因は何ですか?

要件が曖昧なまま開発を始める、ブリッジSEの能力を確認していない、日本側にレビュー担当者がいない、最安値だけで会社を選ぶ、保守・引き継ぎを決めていない、といった原因があります。

Q. オフショア開発とニアショア開発の違いは何ですか?

オフショア開発は海外へ開発を委託するのに対し、ニアショア開発は国内の地方都市などへ委託します。ニアショアはオフショアより人月単価が高くなる場合がありますが、日本語でコミュニケーションでき、為替リスクが基本的にない点が特徴です。

Q. オフショアで開発された既存システムを国内会社へ引き継げますか?

ソースコード、サーバー情報、データベース、設計書、契約上の権利関係などを確認できれば、引き継げる可能性があります。資料が不足している場合は、まず現状調査を行い、改修を続けるかリプレイスするかを判断します。

まとめ

オフショア開発は、海外のエンジニアリソースを活用することで、開発コストの削減やIT人材不足への対応が期待できる開発手法です。

一方で、成功させるには人月単価だけではなく、ブリッジSE・PMの能力、コミュニケーション、品質管理、成果物、保守・引き継ぎまで確認する必要があります。

発注先を比較するときは、「オフショアか国内か」という二択ではなく、オフショア、ニアショア、国内フルリモートを含め、初期開発費+管理工数+追加改修+保守費用を合わせた3〜5年間のTCOで判断すると選択を誤りにくくなります。

ファーストネットジャパンでは、要件定義からシステム開発、既存システムの引き継ぎ、改修、運用保守まで対応しています。オフショア開発と国内開発のどちらが適しているか判断できない段階でもご相談いただけます。

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株式会社ファーストネットジャパン 代表取締役

1998 年創業時からアプリ開発・Web マーケティング・フルリモート SES・ホームページ制作・翻訳・グラフィックデザインなど幅広い IT/クリエイティブ領域を手がけ、4,000 件超のプロジェクトを統括。高松市出身。「圧倒的努力」を座右の銘に、技術とデザインの両面でクライアントの課題解決を支援してきました。
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