Web制作の外注費用相場|工程別の見積もりと予算の組み方
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Web制作の外注費用は、制作会社・広告代理店がどの工程を社内に残し、どこを外部へ任せるかで変わります。一般企業がサイト制作を一式発注する価格と、元請け会社が制作工程を再外注する価格を同じものとして比べると、予算や担当範囲にずれが生じます。
この記事では、顧客から受注した案件を外注する担当者に向け、公開料金の読み方、工程別の見積もり、社内工数を含めた予算の組み方を解説します。全国共通の単価を断定するのではなく、実際に公開されている料金と、その前提条件を確認して発注に使える形へ整理します。
Web制作の外注費用は「工程」と「支給条件」で見る
最初に確認したいのは、見積書にある「Web制作一式」の中身です。企画、構成、文章、写真、画面デザイン、実装、CMS、フォーム、公開作業、動作確認は別々の作業です。顧客との打ち合わせや進行管理まで含むかも会社によって異なります。安い見積もりに必要な工程が含まれていなければ、発注元が担当するか、後から追加する必要があります。
再外注では、顧客への提案とディレクションを自社が担当し、制作だけを外部へ任せる形もあります。反対に、顧客から要望を聞く段階から協力してもらう場合もあります。同じページ数でも必要な説明や調整は変わるため、一般企業向けの制作料金を、そのまま代理店向けの仕入れ価格として扱わないことが大切です。
| 依頼方法 | 発注元で担う仕事の例 | 見積もりで確認する範囲 |
| 一部工程の外注 | 構成・原稿・顧客確認など | 作業単価、受け渡し、対象画面、質問対応 |
| 制作一式の外注 | 顧客の目的と承認窓口の整理 | 企画、素材、制作、検証、公開の担当 |
| 継続的な制作協力 | 案件の優先度と発注量の管理 | 稼働の確保、最低条件、案件別の料金 |
見積もりをそろえる際は、作業対象と除外対象を同時に書きます。「原稿支給」の場合でも、誤字修正だけか、見出しや構成の見直しまで必要かで作業が変わります。既存データがあるというだけで支給完了とせず、形式、内容、利用できる状態まで確認しましょう。
公開されている料金例と条件を比較する
以下は2026年11月1日に公式の制作代行・外注サービスページで確認した公開例です。各社の作業範囲が異なるため、表の金額をそのまま高い・安いの順位に置き換えることはできません。価格が変わる前提と税区分を併せて確認し、正式な金額は案件別の見積もりで確定してください。
| サービス | 公開料金例 | 読み取るべき条件 |
| ファーストネットジャパン | LP制作20~50万円程度/小規模サイト40~70万円程度/コーポレートサイト70~120万円程度(税別) | 原稿・写真は原則支給。規模や機能などで変動 |
| ENVY DESIGN・KUROCO | 10ページ規模で4工程80万円~(税別) | ディレクション・デザイン・静的実装・WordPress構築の組み合わせ |
| オフィスP’dj | デザイン作成15万円~、実装20万円~、CMS構築20万円~(掲載ページの税区分は個別確認) | 各工程の対象ページ・支給条件・納品内容が異なる |
公開料金の確認先:ファーストネットジャパンの工程別料金、KUROCOの外注費用、オフィスP'djの制作代行料金。これらは各社の公表例であり、調査から全国平均を算出した数値ではありません。
一式料金には、工程間の調整や標準的な構成が組み込まれる場合があります。単価表の金額を加えても同じ条件になるとは限りません。一式プランに含まれる作業を再び別料金として足すと二重計上になるため、同じ見積書の中で対象工程を一本化してください。
工程別に費用を分けると確認しやすい項目
企画・構成・進行管理
要件を整理し、サイト構成や制作方針を決める作業です。元請けが企画を担当していても、外注先が顧客との会議へ同席したり、仕様書を作ったりすれば、その工数が必要です。会議の回数、議事録、構成案、確認用資料など、完成する成果物を見積書に書くと作業を比較しやすくなります。
ディレクション費を単なる手数料と見て削ると、進行や仕様の調整を誰も担当しない状態になりかねません。社内に残す場合は自社の担当時間を予算へ入れ、外注先に任せる場合はどこまでの判断権限があるかを整理しましょう。顧客への説明を自社が行うのか、協力会社が行うのかも確認します。
デザイン
トップページ、下層ページ、LP、新規の画面パターンなどに分けます。ページ数が同じでも、見せ方を毎回変えるか、共通の部品を展開するかで工数は違います。PC・スマートフォンの範囲、初稿の案数、フォームやメニューの状態、写真の補正などを決めてください。
デザインのみを依頼する場合は、実装担当者へ渡す情報がどこまで含まれるかが重要です。画像の書き出し、余白や文字のルール、編集データ、制作途中の確認まで必要な場合は、単に完成イメージの画像を納める仕事とは分けて見積もる方が適切です。
実装・CMS・機能
実装は画面の長さや動き、CMSは投稿の種類や管理項目、機能は検索や連携などの仕様で変わります。「WordPressあり」という一言だけでは、新規テーマを作るのか、既存テーマを調整するのかが分かりません。デザイン料とCMS料に同じ作業が含まれていないかを確認しましょう。
本記事では実装専門の外注先選びは扱いませんが、制作予算の一部として切り分ける必要があります。フォームの確認画面、エラー、完了後の通知などは、見えるページ数だけでは把握できない作業です。外部システムへ接続する場合は、その接続条件や確認用の環境も見積もり前に伝えてください。
原稿・写真・素材
原稿支給の案件でも、発注元が顧客から情報を回収して整理する時間が必要です。文章の構成を作り直すか、写真を補正するか、図を描き起こすかはデザインと別に確認します。素材の購入費だけでなく、利用できる媒体や編集可能な範囲、顧客へ渡せるデータかも確認してください。
移行・検証・公開
既存記事の移行、画像の整理、URLの対応付け、公開環境の設定、ブラウザーでの確認などを分けます。ページ数が多くても内容が整っていれば進めやすい一方、古い形式が混在していれば整理が必要です。公開作業を依頼する際は、バックアップ、差し替える時間、問題時の切り戻しをどちらが担当するか明確にします。
公開後の修正・運用
制作時の検収で直す不具合と、公開後に顧客の都合で追加する内容は別です。確認期間、保証する範囲、定期保守の対象を分けて見積もりましょう。制作費の中に運用費があるのか、月額費用が別に必要なのかを整理すると、顧客への継続費用の説明もしやすくなります。
単価の合算は検算に使い、正式見積もりと区別する
例えばファーストネットジャパンの公開単価には、トップデザイン8万円~、下層デザイン2万円~/ページ、トップ実装4万円~、下層実装2万円~/ページ、WordPressセットアップ・テーマ作成7万円~が示されています。以下は、これらの最低単価を機械的に組み合わせた検算です。5ページサイトの正式価格や、受託を約束する料金ではありません。
| 仮定した数量 | 公開最低単価での計算 | 小計(税別) |
| トップのデザイン1ページ | 8万円×1 | 8万円 |
| 下層のデザイン4ページ | 2万円×4 | 8万円 |
| トップの実装1ページ | 4万円×1 | 4万円 |
| 下層の実装4ページ | 2万円×4 | 8万円 |
| WordPressセットアップ等1式 | 7万円×1 | 7万円 |
| 単純合計 | 8+8+4+8+7 | 35万円 |
この計算には、企画、原稿、写真、追加機能、移行、公開管理などを独立した作業として加えていません。また、単価には「~」が付いているため、数量を掛けた小計が上限になるわけでもありません。一式プランの小規模サイト40~70万円程度と金額が違うからといって、どちらかが誤りなのではなく、条件を見積もりで確認する必要があります。
検算の目的は、自社で作業の抜けを見つけることです。下層に同じデザインの展開ページが多い場合や、フォームが別にある場合は、ページ数だけの計算では合いません。見積もりに差が出たら値引きを求める前に、画面数、支給条件、担当工程が同じかを確かめましょう。
元請けの予算は外注費と社内工数を分けて組む
受注金額から外注費を引いた残額すべてを、その案件の利益と考えるのは適切ではありません。元請け側には、提案、顧客対応、仕様整理、素材回収、確認、公開管理などの仕事が残る場合があります。外注費を抑えても、それらの作業が大きく増えれば、案件全体の負担は増える可能性があります。
予算表では、外注する制作費、自社の担当時間に基づく費用、素材等の実費、未確定の変更に対応する予算を分けます。一定の粗利率や外注比率を誰にでも当てはまる基準とせず、今回どの仕事を自社が担当するのかから逆算してください。単なる仲介と、企画・検収まで責任を持つ受注では必要な工数が異なります。
| 予算項目 | 確認する内容 |
| 外注制作費 | 委託する工程と対象成果物 |
| 社内担当工数 | 提案・会議・顧客確認・検収・公開管理 |
| 案件の実費 | 写真、フォント、素材、ライセンスなど |
| 未確定項目 | 追加画面・原稿未確定・移行調査など |
| 継続費用 | 公開後の更新・保守・利用サービスの費用 |
顧客の承認が遅れた場合の調整も予算に関係します。外注先の稼働を確保した後で素材が届かなければ、再調整が必要になることがあります。顧客への工程表には制作日だけでなく確認日と支給期限を入れ、遅れた場合に何を再確認するかを決めておきましょう。
相見積もりは総額より「同じ成果物」かを確認する
価格差を見るときは、対象ページ、PC・スマートフォン、構成の確定度、案数、修正、テスト、納品物をそろえます。安い会社を探すだけでなく、同じ条件で何が含まれ、何が含まれないかを確認してください。見積書の空欄は無料の意味ではないため、必要な作業が明記されていない場合は追加確認が必要です。
支払い条件と、作業範囲の区切りも合わせて確認します。初稿提出で一部が確定するのか、全ページの承認後か、公開後に検収するのかによって進め方は変わります。ここでは法的な契約判断を一律に示すのではなく、納品・確認・変更の各タイミングを発注相手と明らかにすることを重視します。
| 確認対象 | 揃えるべき条件 | 比較がずれる例 |
| ページ | 新規画面と展開ページの数 | 10ページでも画面パターン数が違う |
| デザイン | 案数・画面幅・状態 | スマートフォン別案の有無が違う |
| 素材 | 原稿・写真・図版の支給 | 整理済みデータと未整理資料を同一視 |
| 修正 | 内容・期限・追加判断 | 構成変更まで無条件で含むと誤認 |
| 納品 | 編集データ・公開・説明 | 完成画像のみと実装済みを比較 |
初回見積もりの段階で全項目を確定できない場合は、未確定項目だけ別枠にします。想定条件で一度算出した範囲と、調査後に確定する範囲を分けると、見積もりを取り直す理由も顧客へ説明しやすくなります。仮の金額を顧客への確約として使うのは避けましょう。
追加費用を増やしにくい発注の進め方
費用を抑えるには、作業を必要以上に削るより、前提を後から変えない仕組みを作ることが有効です。原稿が仮のまま長いページをデザインし、完成後に文章量が大きく変わると、画面の作り直しが発生します。顧客に確認する順番を構成、原稿、デザイン、実装へ分け、各段階の承認を共有しましょう。
修正依頼は発注元で一本化します。「もう少し見やすく」という感想だけで戻すのではなく、対象箇所、困っている理由、変更したい優先順位を伝えます。初期条件に沿う調整と、承認後の新しい要望は分けて記録し、作業前に追加の費用と日程へ合意する手順を設けてください。
テンプレートや既存部品を使う場合は、適用できる範囲を先に確認します。共通化できる見出しやカードを揃えれば展開しやすくなりますが、すべてのページを同じ型へ押し込むと顧客の目的を損なう場合があります。費用と品質を両立するため、独自に作る画面とルールに沿う画面を分けましょう。
見積もり依頼に含めたい情報
外注先へ最初に渡す依頼書は、長い説明より、決定済みと未決定を分けた情報が役立ちます。顧客の機密資料を共有する前に必要な守秘条件を合わせ、閲覧範囲を整理してください。仕様が未確定でも相談できることはありますが、確定済みと誤認される渡し方は避けましょう。
| 項目 | 記載例・確認すること |
| 案件概要 | 顧客の業種、サイトの目的、公開予定 |
| ページ構成 | トップ、下層、LP、一覧・詳細など |
| 担当工程 | 自社が行う範囲と外注したい範囲 |
| 支給物 | 原稿、写真、ロゴ、構成、現行データ |
| 画面・機能 | PC/SP、CMS、フォーム、連携など |
| 確認体制 | 自社承認者、顧客確認の回数と期限 |
| 納品条件 | データ形式、環境、検収、公開の担当 |
| 個別条件 | 名義、実績公開、連絡方法、守秘 |
予算の上限が決まっている場合も、その金額だけを伝えてすべて対応できるか尋ねるより、必須工程と調整できる工程を分ける方が比較しやすくなります。公開日を変えられないのか、ページ数を減らせるのか、素材を自社で作れるのかを示すと、見積もりを減額する根拠を作れます。
外注費用と担当範囲をまとめて相談する
制作一式と一部工程の両方を検討している場合は、外注先へ二つの案を依頼すると違いが明確になります。たとえば、構成を自社で確定する案と、構成整理から依頼する案を分ければ、制作費だけでなく元請け側に残る工数を比較できます。同じ作業を重複して発注しないよう、最後は一本の担当表にまとめてください。
ファーストネットジャパンの専用ページでは、制作会社・広告代理店からの相談に向け、デザイン・実装・CMS・Webアプリ開発を案内しています。料金目安を参考に、希望納期、ページ構成、支給物、外注したい工程を整理して相談できます。正式な費用と受託条件は案件ごとの見積もりで確認してください。
見積もりを確定する時点と検収の段階を決める
仕様が固まる前から協力会社へ相談する場合は、情報整理の段階と制作開始の段階を分ける方法があります。最初に現状確認や要件整理の範囲を見積もり、その結果をもとに制作対象と金額を確定すると、未確認の機能を定額へ無理に押し込むことを避けられます。すべての案件で二段階が必要なわけではありませんが、既存環境や移行データが不明な場合の選択肢になります。
検収では、誰が何を確認して承認するかを工程ごとに決めます。デザインは画面と素材、実装は表示や操作、CMSは入力と公開、移行は件数や内容というように対象を分けると、元請け側の確認漏れを把握しやすくなります。顧客の好みによる追加要望と、最初に合意した仕様への不一致も区別し、修正の連絡先や期限を共有してください。
顧客からの素材や承認が遅れた場合には、外注先へ再開予定を連絡し、日程を組み直す必要があります。別案件の制作枠を確保している可能性もあるため、元の日程のまま対応できると決めつけないことが大切です。保留中にどの作業を進めるか、再開時に金額や前提を再確認するかを見積もり段階から相談すると、担当者間の認識を合わせやすくなります。
複数の外注先を使う案件では、画面データの受け渡し、質問の担当、公開の作業日を一つの工程表にまとめましょう。デザインと実装を別に依頼した場合、片方の遅れがもう片方の着手に影響します。工程ごとの見積もりが正しくても接続する作業の担当が抜けることがあるため、元請けが受け渡しを管理する工数も確保する必要があります。
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よくある質問
Web制作の外注費用は一律で決まりますか?
一律ではありません。ページ数だけでなく、担当工程、支給物、画面の種類、機能、修正、公開作業によって変わります。公開料金は条件付きの参考例として確認してください。
公開単価を足せば制作費用を確定できますか?
確定できません。最低単価の単純合算は検算に使えますが、企画、素材、機能、検証などの作業や一式プランとの違いがあります。正式な費用は案件ごとの見積もりで決めます。
代理店向けの価格は一般企業向けより安いですか?
必ず安くなるとは限りません。原稿や仕様の支給、担当工程、継続量などの条件によって変わります。代理店という属性だけで特別価格があると判断しないでください。
外注費以外に予算へ入れるものは?
元請け側の提案、顧客対応、素材整理、確認、検収、公開管理などの担当工数と、素材・ライセンス等の実費を分けて管理します。外注費との差額すべてを利益とは扱いません。
追加費用が出やすい変更は何ですか?
承認後の構成変更、別案追加、原稿量の大幅変更、追加画面や機能などです。初期条件への調整と新たな作業を分け、作業前に費用と納期を確認しましょう。
相見積もりで最初に確認すべきことは?
総額より先に、対象ページ、画面幅、担当工程、支給物、修正範囲、納品物が同じかを確認します。見積書にない必要作業を無料で含むと解釈しないことが大切です。
まとめ
外注先を選ぶ前に、社内で担当する工程と外部へ任せる工程を整理しましょう。公開料金は範囲と支給条件を含めて比較し、顧客確認、修正、編集データ、検収まで決めると案件に合う発注先を選びやすくなります。制作会社・代理店の立場で相談する際は、ページ構成と支給資料、希望する日程をまとめて伝えてください。