Adobe XD単体プランの販売が終了!XDユーザーはどうすべきか?
UIデザインツールのAdobe XDはAdobeが提供しているアプリケーションで、世界中にXDユーザーが数多く存在します。しかし、そのAdobe XDの単体プランが2023年1月に突如販売終了しました。
ただし、一部制限がありますが、現時点では引き続きソフトを使い続けることができます。今回はその方法と現在のXDユーザーはソフトを変えるべきなのか否かを具体的に解説します。
目次
Adobe XDとは?機能を紹介
Adobe XDはUI/UXの作成ツールで、直感操作ができるため素人でも比較的容易にWebページのデザインを作成することができます。Adobe XD以外にもデザインツールは数多くありますが、Adobe社が提供しているため、フォトショップ(Photoshop)やイラストレーター(illustrator)といった日ごろ使い慣れている他のアプリで作ったデザインをXDのプロトタイプに移すこともできます。
Adobe XDでは下記機能を使うことができます。
- デザインカンプ
WebページのUI設計が可能となります。他社のアプリと使用感はそれほど変わりありませんが、上述したようにAdobe社の他のアプリとの連携が容易なため、DXユーザーは数多くいます。 - プロトタイプ
Adobe XDにはプロトタイプと呼ばれる機能があり、作成したデザインをWeb上で動かすことができます。パーツをクリックしたときのページ遷移や挙動を確かめられる便利な機能です。 - デザイン共有・共同編集
作成するデザインは他のデザイナーやディレクターと容易に共有・編集が可能です。コメントやタスク機能もあるので、複数のデザイナーで役割分担できるほか、会議で進捗報告やデザイン相談なども簡単にできます。
Adobe XDは無料と有料プランがある
Adobe XDには全部で3つのプラン・利用方法があり、それぞれ「無料プラン(スタータープラン)」、「単体プラン(有料)」、「コンプリートプラン(有料)」となります。
無料プランは有料プランと比較して様々な機能の制限があります。例えばPDFや動画の書き出し回数や共同編集できる人数は有料であれば無制限ですが、無料では1人だけとなります。また、ストレージも無料は2GBですが、有料版は100GBとなります。
また、単体プランとコンプリートプランに違いはありませんが、コンプリートプランは「Adobe CC」と呼ばれており、20以上のアプリケーションを使うことができます。
Adobe XD単体プランが終了?なくなる噂の背景
今回問題となっているのが、Adobe XD単体プランの販売終了です。特に告知されたわけではなく、2023年1月下旬頃に突然Adobeのラインナップから消えてしまったため、多くのXDユーザーが当惑しています。
各Webニュースを確認してもAdobe XDの単体販売の終了は確実視され、実際にAdobe社に問い合わせをして単体販売のサービス終了を確認したブログ記事も散見されます。上記のことから、Adobe XD単体プランの販売は終了となることが分かります。
Adobe Creative Cloud(Adobe CC)ではXDの利用が可能
Adobeコンプリートプラン(Adobe Creative Cloud)とは、Adobe CCと呼ばれるパッケージプランとなります。月額6480円で利用することができ、Adobeのアプリを3つ以上使う場合はAdobe CCがお得となります。全20種以上のAdobeのアプリを使うことができ、月に1度オンライン認証を済ませればデスクトップ上でオフライン使用も可能です。
このAdobe CCにもAdobe XDが含まれており、現時点ではこちらが削除される様子はなく、Adobeのサポートセンターに問い合わせてもAdobe CCに申し込めば引き続きAdobe XDの利用が可能とのことです。
Adobe XD単体販売終了に向けてユーザーはどうするべき?
Adobe XDの単体販売の終了に向けて、現状XDユーザーは宙ぶらりんの状態となっています。そこで、現時点でXDユーザーのとるべき選択肢を以下に解説します。ただし、Adobe XDはいまのところサービスの提供が終了しているわけではありませんし、Adobe社に問い合わせても、「Adobe CCにて引き続きサポートを提供していく」と回答がありますので、仮にXDから別のアプリに切り替える場合は、よく吟味して選ぶようにしてください。
Adobe XDを使い続けるときの注意点
今回Adobe XDユーザーやグラフィックデザイナー、Web制作会社といった業界で混乱が発生している原因は、Adobe社が前触れもなくAdobe XDの単体販売を終了したことにあります。
Adobe XDは当初毎月何かしらのアップデートをするとPRしていましたが、実際は2021年年末頃からアップデートの頻度が極端に少なくなり、2022年以降はほとんどアップデートされませんでした。そのため、今後もバージョンの更新の期待はそれほど見込めないため、Adobe XDは他のUIデザインツールよりも機能やサポート面で遅れをとることが予想されます。
Adobe XDを使い続けることを検討しているユーザーは、上記を含めて検討するようにしましょう。
他のアプリケーションに乗り換えるのが無難の流れ
Adobe XDは現在Adobe CCで使うことができますが、Adobe社の方針でいつAdobe CCから突然削除されるかも分かりません。UIデザイン作成アプリはWebサイトを作成するに当たりとても重要なツールとなるので、リスクを負ってまで使い続ける理由はないと言えます。
そのため、基本的に現在のXDユーザーは他のアプリケーションに乗り換えるのが無難の流れとなります。
Adobe XDから他社のアプリケーションに乗り換える場合は、自身が使っているアプリデータを簡単にインポートできるかや、その時の挙動、使い勝手などを確かめてください。
企業が導入する場合は現場の声に耳を傾けることも大切です。
UIデザインツールはFigmaとSketchどちらがおすすめ?
UIデザインツールは日本国内ではAdobe XDやSketchの需要が高いですが、世界シェアを見てみるとFigmaが圧倒的です。日本では2022年夏にFigmaの日本語版の提供が開始されましたが、その数か月後にはAdobe社がFigmaの買収を発表しました。
FigmaはもとからAdobeのアプリと親和性が高く、データ連携も簡単でした。今回の買収問題によって、今後AdobeのUIデザインツールは、Figmaに注力する可能性が高まりました。そのため、既存のXDユーザーが他社に乗り換えるのであれば、Figmaの方が将来的におすすめと言えるかもしれません。
ただし、数あるUIデザインツールの中でも、Sketchは日本人デザイナーから評判が高いですし、どちらかというとFigmaの機能を踏襲している節があるため、企業によってはSketchに乗り換えるのもありかもしれません。
注意点としては、Adobe XDからFigmaやSketch、あるいはFigmaとSketch間でデータ移行するのは手間がかかることと、フォントやデザイン崩れなどの不具合が発生することもよくあります。会社の規模によっては大がかりな作業となるので、どのアプリケーションを選択するかは時間をかけて吟味するといいでしょう。
無料もなくなった?Adobe XDスタータープラン終了は本当?
Adobe XDが人気の理由の1つに「無料版」が提供されていることが挙げられます。共有人数やストレージに制限はあるものの、デザインカンプは作れますし、プロトタイプでブラウザ上で挙動を確認することもできます。
この無料版は「Adobe XDスタータープラン」と呼ばれるもので、従来は誰もがダウンロードできていました。しかし、2022年にAdobe XDがバージョン50に更新されてから、「Adobe XDスタータープランがなくなった」、「スタータープランがダウンロードできない」といった報告が数多く見受けられます。
確かに通常の製品ページからダウンロードはできなく、目立たない場所にダウンロードページへのリンクが貼られています。スタータープランのダウンロード紹介ページはNOINDEX・NOFOLLOWとなっているため、Adobe社はスタータープランもひっそりと終わらせる算段なのかもしれません。
ただし、現時点ではダウンロードページは生きていますので、後述するページURLに飛ぶことによって無料でAdobe XDを使うことができます。
Adobe XDスタータープランのダウンロード方法
以下ではAdobe XDスタータープランのダウンロード方法をご紹介します。単にインストールするだけで無料で使えるわけではありませんので、利用するときはよく注意してください。
また、ここで紹介する方法は現時点のものとなるので、ダウンロード方法や無料利用可能の可否は今後変わる可能性もあります。常に最新の情報を収集するように努めてください。
1.公式ホームページのAdobe XDダウンロードページにアクセス
まずはAdobe公式ホームページ内にあるAdobe XDスタータープランのダウンロードページへ飛びます。「XDをダウンロード方法する」をクリックするだけで自動的にダウンロードされます。
上述したようにAdobeトップページからは非常に見つかりづらいページなので、下記から飛ぶのがいいでしょう。
Adobe XDスタータープランのページ:https://www.adobe.com/jp/products/xd/pricing/starter-plan.html
2.無料体験後にスタータープランへ移行
従来は上記ページからAdobe XDをダウンロードするだけでスタータープランを利用できましたが、現在はダウンロードしたソフトを起動させると、Adobe IDの登録およびログイン画面を経た後、Adobe CCの無料体験版の申し込みページが表示されます。
そのため、まずはAdobe CCの無料体験を利用することとなり、無料体験が終了したあと、Adobe CCの正式申込みを解約することでスタータープランに切り替えることができます。
まとめ:Adobe XD終了のリスクを考慮したアプリケーションを選択しよう
今回はAdobe XD単体販売の終了に関する情報と今後のXDユーザーの選択肢を解説しました。Adobe XDスタータープランはまだ利用できますが、バージョンは今後更新されたないため、フリーランスならまだしも、企業で導入するのはおすすめできません。
今後のAdobe社の動向を踏まえると、素直にXDからFigmaに移行するのがおすすめかもしれません。