IT受託開発とは？大まかな流れや業務例も解説
「IT受託開発ってよく聞くけど、具体的に何をするの？」
「発注側としてどう関わればいいのか分からない…」
そんな風に感じている方も多いのではないでしょうか。
IT受託開発とは、企業がシステムやアプリ開発を外部の開発会社に依頼する形態のこと。
要件定義から設計、開発、テスト、納品まで、プロジェクトに応じて様々な業務が発生します。
今回はIT受託開発の基本的な流れや、実際によくある業務例について分かりやすく解説します。
発注を検討している企業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
IT受託開発とは？
IT受託開発とは、企業が自社の業務に必要なシステムやアプリケーションの開発を外部のITベンダーに委託することを指します。
開発業務を一括して任せられるため、自社にエンジニアや専門知識がなくても、高品質なシステムを構築することが可能です。
要件定義から設計、開発、テスト、納品、保守までをワンストップで対応する企業も多く、業務効率化や生産性向上を図りたい企業にとって、おすすめの選択肢といえるでしょう。
1.開発委託との違い
IT受託開発と「開発委託」は似た言葉ですが、実際には契約形態や責任範囲に違いがあります。
一般に「受託開発」は成果物の完成が前提の「請負契約」であり、成果に対する責任を開発会社が持ちます。
一方、「開発委託」は委任契約や準委任契約として扱われ、業務遂行はするものの、成果物完成の責任は負わないケースがほとんどです。
したがって、明確な成果を求めるなら「受託開発」の方が適していると言えるでしょう。
2.SES契約との違い
IT受託開発とSES契約（システムエンジニアリングサービス契約）は、混同されやすいですが本質的に異なります。
SES契約は、開発会社がエンジニアを派遣し、発注側の指示のもとで作業を行う形態です。
作業の成果に対して責任はないことが多く、あくまで人材提供が目的となります。
一方、受託開発は完成責任がある契約であり、プロジェクトの全体を任せることが可能です。
自社に管理リソースがない場合は、受託開発がより適した選択となります。
IT受託開発の大まかな流れ
IT受託開発の大まかな流れは、以下の通りです。
- 要件定義：自社の目的や課題を開発側に伝え、必要な機能や業務フローを明確にする段階
- 基本設計・詳細設計：システム全体の構成や画面設計、データベース構成などを設計書に落とし込む
- 開発・プログラミング：設計に基づいて実際にシステムを構築。フロントエンドやバックエンドの実装を実施
- テスト（単体・結合・総合）：作った機能が正しく動作するか検証。バグや仕様漏れがないかを徹底的にチェック
- 納品・本番環境へのリリース：動作確認後、納品。必要に応じて本番サーバーへデプロイす
- 運用・保守：システム稼働後のトラブル対応やアップデート対応などを行い、安定稼働をサポートしてもらえる
ただし、一般的な流れとなるので、あくまでも参考程度に留めておきましょう。
IT受託開発の業務例
弊社のIT受託開発の業務例として、以下をご紹介します。
- 予約管理アプリ
- 不動産管理システム
- 顧客管理システム
それぞれチェックして、IT受託開発のイメージを膨らませましょう。
1.予約管理アプリ
美容室の予約や宿泊施設の予約など、タイムスケジュールやカレンダーを活用しながらネット予約・管理ができるWebアプリを開発することが可能です。
実際に導入することで、エクセルで管理していた手間のかかる業務を効率化してくれます。
また、電話対応にかかる時間を大幅に削減できる点もメリットです。
スタッフの負担軽減を実現したいという場合は、開発を検討してみましょう。
2.不動産管理システム
不動産物件の検索サイトのようなポータルサイトはもちろんのこと、物件オーナー様のための借主管理や物件管理など業務を効率化するWebアプリの開発が可能です。
自社のセキュリティ体制を強化したい場合は、導入を検討してみてください。
実際に弊社では、不動産関連のサイトを多く開発してまいりました。
不動産管理システムは、業務効率化はもちろん、アクセス権限の設定やデータの暗号化などにより、セキュリティ向上を実現できるのが強みです。
3.顧客管理システム
ビジネスにおいて顧客情報は最も重要なデータです。最大機密であり、セキュリティ性を高める必要があります。
弊社では、安全性の高いシステムにより情報漏えいがない顧客管理アプリをご提供可能です。
特に近年では、ランサムウェア攻撃なども増えており、十分な対策が必要です。
顧客情報を守りたいと考えているのであれば、開発を検討してみましょう。
なお、その他の開発事例については、以下のページで詳しく解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
事例はもちろん、弊社がどのようにシステムを開発しているのか、業務において何を大切にしているのかイメージが湧きやすい内容になっています。
IT受託開発を依頼するメリット
IT受託開発を依頼するメリットとして、以下が主に挙げられます。
- 工数の負担が減る
- 予算計画を立てやすい
- 開発費用を抑えやすい
ここからは、具体的に解説していきます。
1.工数の負担が減る
社内でのシステム開発は、要件定義から設計・実装・テストまで多くの工程があり、担当者に大きな負荷がかかります。
一方、受託開発を依頼すれば、こうした業務の多くを外部に任せられるため、社内の工数を大幅に削減できます。
特に開発経験のない企業にとっては、プロジェクト管理や技術的な課題を外部のプロに委ねることで、安心して本業に専念できるようになるでしょう。
2.予算計画を立てやすい
受託開発では、要件と納期に応じて事前に見積もりを提示されるのが一般的です。
契約内容に沿って進行するため、追加作業がない限り予算のブレが少なく、資金計画を立てやすいのが特徴です。
自社開発では、人件費や遅延リスクなどでコストが膨らみやすい一方、受託開発は費用をコントロールしやすく、経営判断においてもメリットの大きい選択肢となります。
3.開発費用を抑えやすい
一見すると受託開発は高コストに思えるかもしれませんが、実は長期的に見ると費用を抑えやすい側面があります。
社内に専任エンジニアを雇用・教育するための人件費や設備投資が不要なため、トータルコストで見れば効率的です。
また、開発会社によってはオフショア開発やニアショア開発の提案もあり、条件次第でさらに費用を抑えることが可能です。
※オフショア開発：開発を海外の企業や現地法人に委託すること
※ニアショア開発：国内の比較的距離が近い地方都市にある別の企業や、開発拠点に委託すること
IT受託開発を依頼するデメリット
IT受託開発を依頼する場合、メリットだけではなくデメリットもあります。
- 自社エンジニアの育成につながらない
- セキュリティリスクがある
メリットだけではなく、デメリットも理解した上で依頼するか判断しましょう。
1.自社エンジニアの育成につながらない
受託開発を長く続けて利用すると、社内での開発経験が不足し、自社のエンジニアが成長する機会が減ってしまいます。
その結果、システムに関する知識が蓄積されにくくなり、将来的な保守や運用に支障をきたす可能性もあります。
また、開発会社に依存する構造が生まれると、仕様変更や改修のたびにコストと時間がかかるため、自立した技術体制を目指す企業にとって課題となり得るでしょう。
2.セキュリティリスクがある
受託開発では、業務内容や顧客情報、業務フローなどの内部情報を外部企業に共有する必要があります。
そのため、情報漏えいリスクや不正利用の可能性といったセキュリティ面の懸念が生じます。
特に個人情報や機密性の高いデータを扱う場合は、契約時に秘密保持契約（NDA）の締結や、セキュリティ体制の確認が欠かせません。
IT受託開発にかかる費用の相場
IT受託開発にかかる費用の相場は、以下の通りです。
| 開発ジャンル | 費用相場 |
| アプリ開発 | SNSアプリ：50万円～1,000万円 |
| ゲームアプリ：300万円～1,000万円 | |
| Webシステム開発 | コーポレートサイト：20万円〜300万円 |
| ECサイト：60万円〜400万円 |
あくまで一般的な相場なので、参考程度に留めておきましょう。
IT受託開発を依頼する際のポイント
IT受託開発を依頼する際のポイントとして、以下が欠かせません。
- 開発実績があるかどうか確認する
- セキュリティマネジメントがしっかりしているか見る
- 対応力についてチェックする
IT受託開発で失敗しないためにも、すべてチェックしておきましょう。
1.開発実績があるかどうか確認する
まず確認すべきは、その開発会社に十分な実績があるかどうかです。
特に、自社と同じ業種や似た課題を抱えたクライアントへの対応経験があるかどうかは、開発の質や、提案力を判断する重要なポイントです。
実績が豊富な会社は、過去の成功や失敗を活かして柔軟に対応できるため、プロジェクトのリスクも低く、抑えやすくなります。
公開されている事例や導入実績をしっかり確認しましょう。
2.セキュリティマネジメントがしっかりしているか見る
開発を外部に依頼する以上、情報漏えいのリスクは常に存在します。
そのため、セキュリティ管理体制の有無は非常に重要なチェックポイントです。
ISMS認証（ISO27001）などの取得有無や、情報管理ポリシー、アクセス制限、バックアップ体制の有無などを確認しましょう。
安心して任せられる相手かどうかは、表面的な言葉ではなく、体制と仕組みで判断することが重要です。
3.対応力についてチェックする
受託開発では、開発中の仕様変更やトラブル対応など、想定外の状況が発生することも珍しくありません。
その際に柔軟かつスピーディに対応してくれるかどうかは、非常に重要なポイントです。
打ち合わせ時のレスポンスの早さや、提案内容の深さ、過去の対応事例などを通じて、対応力の高さを見極めましょう。
単なる技術力以上に、誠実で柔軟な姿勢が求められます。
まとめ
IT受託開発のメリットとして、工数の削減や開発費用を抑えられるといったメリットがあります。ただし、自社エンジニアの育成につながらない、セキュリティリスクがあるというデメリットも考慮しなければなりません。
メリット、デメリットの両方を把握した上で、IT受託開発を行うか検討する必要があります。今回の記事では費用相場や、IT受託開発を依頼する際のポイントも解説しているのであわせて参考にしてみてください。
なお、当社、株式会社ファーストネットジャパンでもシステム開発を行っています。以下のページよりお問い合わせやお見積りが可能なので、ぜひご相談ください。
