ITシステム開発とは？システム開発の工程や費用相場などを解説

「ITシステム開発って具体的にどんなことをするの？」
「システムを導入したいけど、費用や工程が分からず不安…」

このような悩みを抱えている企業担当者の方も多いのではないでしょうか。ITシステム開発とは、業務を効率化したり課題を解決したりするために、企業のニーズに合わせてシステムを設計・構築するプロセスです。

しかし、工程や費用感がわからないと、なかなか導入に踏み切れない場合もあるでしょう。

この記事では、ITシステム開発の基本的な流れや工程、費用の相場についてわかりやすく解説します。システム開発の外注を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

ITシステム開発とは？

ITシステム開発とは、企業や組織の業務を効率化し、支援するために、ソフトウェアやハードウェアを組み合わせて情報システムを設計・構築・導入するプロセスのことを指します。

開発対象は業務システムやWebアプリケーション、スマートフォンアプリなど多岐にわたります。

一般的には、ユーザーの課題やニーズをヒアリングした上で、要件定義・設計・開発・テスト・運用といった工程を段階的に進めていきます。

目的や用途に応じて最適な手法や技術を選定する必要があるため、初期の企画段階から明確なビジョンを持つことが、開発の成否を分ける重要なポイントといえるでしょう。

システム開発の例

システム開発と一口に言っても、さまざまな例が挙げられます。

当社の例として、以下をご確認ください。

詳しい事例は、以下のページでも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

WEBシステム開発

システム開発の工程

システム開発の一般的な工程は、以下の通りです。

1. 要件定義
2. 設計
3. 開発・プログラミング
4. テスト
5. リリース・引き渡し
6. 運用・保守

それぞれ確認しながら、理解を深めていきましょう。

1.要件定義

要件定義では、システムが満たすべき条件や目的を明確にします。

誰が何のために使うのか、どんな機能が必要か、どのような運用環境かなどを整理し、開発の方向性を決定します。

関係者との認識をすり合わせる重要な工程であり、この段階で丁寧にコミュニケーションを取ることが大切です。

要件定義が甘い場合、後々のトラブルに直結することもあるため、丁寧なヒアリングと文書化が欠かせません。

システム開発において、重要度の高い工程となることをしっかりと理解しておきましょう。

2.設計

設計工程では、要件定義をもとにシステムの構造や画面レイアウト、データベースの構成などを設計します。

設計は大きく「基本設計（外部設計）」と「詳細設計（内部設計）」に分かれ、それぞれユーザー視点と開発者視点から仕様を固めていくのが主な流れです。

この段階で完成後のシステムの姿が明確になるため、設計の精度がその後の工程に大きな影響を与えます。

3.開発・プログラミング

設計が完了すると、いよいよプログラミングによるシステム構築が始まります。

詳細設計に基づいて、各種機能や画面、データ処理などをコーディングしていきます。

並行して単体テスト（ユニットテスト）も実施し、プログラムごとの動作確認を実施するのが一般的な流れです。

開発者の技術力やコード品質が、システム全体の信頼性に直結することを理解しておきましょう。

4.テスト

開発が完了したら、システム全体の動作を確認するテストフェーズに入ります。

代表的なものに結合テスト、総合テスト、受け入れテストがあります。

機能が設計通りに動くか、バグがないか、例外処理は問題ないかなどを入念に確認します。

テスト工程は品質を保証するための最終関門であり、入念なチェックが必要となるでしょう。

5.リリース・引き渡し

テストが完了し、問題がないことが確認されると、システムは本番環境へ移行されるリリースという工程に入ります。

同時に、操作マニュアルの提供やスタッフへの操作説明、引き渡し書類の作成なども行うのがポイントです。

スムーズな運用開始をサポートするためには、事前の導入計画や利用者教育も重要となるでしょう。

6.運用・保守

システム導入後も、トラブル対応や機能追加、セキュリティ更新などを行う「運用・保守」フェーズが続きます。

運用を支える体制が整っていなければ、どれだけ高機能なシステムを導入しても長く使うことはできません。

定期的な点検や利用状況の分析を通じて、継続的に改善を重ねていくことが大切です。

ITシステム開発を行うメリット

ITシステム開発を行うメリットは主に以下の3つです。

1. プロに任せられるので安心
2. 採用や育成の手間やコストを省ける
3. 開発に必要な設備や環境の投資が不要

どのようなメリットがあるのか、1つずつ見ていきましょう。

1.プロに任せられるので安心

システム開発は専門性が高く、適切な設計や実装には豊富な経験と知識が求められます。

プロの開発会社に依頼することで、専門技術を持つエンジニアのサポートが受けられ、要件定義から実装・テスト・運用まで安心して任せられるでしょう。

特に初めてシステム導入を行う企業にとっては、課題の整理や仕様の明確化においても的確なアドバイスが得られるので安心です。

プロジェクト全体の方向性を見失わずに進めることが可能になるため、着実に開発を進められます。

2.採用や育成の手間やコストを省ける

社内にシステム開発チームを立ち上げるには、エンジニアの採用や育成といった時間とコストがかかります。

特にIT人材の確保は競争が激しく、必要なスキルを持つ人材を即戦力として採用するのは簡単ではありません。

一方で、外部の開発会社に依頼すれば、既にスキルを備えたチームによって即座にプロジェクトをスタートすることが可能です。

人件費や教育コストを抑えながら成果を出せるため、結果として、経営資源を本業に集中させることにもつながります。

3.開発に必要な設備や環境の投資が不要

システム開発には開発ツールやサーバー環境、テスト用の端末など、さまざまな設備が必要になります。

これらを自社で用意するには初期投資が大きく、また運用・保守の手間も発生するのが難点です。

そこで、開発会社に依頼すれば、すでに整備された環境を活用できるため、自社での設備投資が不要になります。

とくに中小企業やスタートアップにとっては、初期コストを抑えながら必要な機能を実現できる点は大きな魅力といえるでしょう。

ITシステム開発を行うデメリット

ITシステム開発を行う際、メリットだけではなくデメリットもあります。

1. 内製に比べてコストが上がりやすい
2. コミュニケーションに工数を割かれる

以下の2つをチェックしていきましょう。

1.内製に比べてコストが上がりやすい

外部にシステム開発を委託すると、当然ながら業務委託費が発生します。

社内に既にエンジニアがいて内製可能な場合と比較すると、短期的に費用がかさむ傾向があるでしょう。

また、要望の変更や追加開発が発生するたびに、追加費用が発生するケースもあるため、見積もり時点での費用の確認や契約内容の明確化が重要です。

費用対効果を意識しつつ、長期的な運用や保守まで見据えて判断しましょう。

2.コミュニケーションに工数を割かれる

開発会社との協働では、要件定義や仕様の確認、進捗の共有など、頻繁なコミュニケーションが不可欠です。

特に認識の誤解や行き違いが生じないように丁寧に情報を伝える必要があるため、社内の担当者には一定の工数が求められます。

また、言葉の解釈や専門用語の理解度の違いから、意図した通りに伝わらないリスクもあります。

お互いにコミュニケーションを取る際は、なるべく専門用語を使わない、もしくは専門用語を使う際は簡単に説明を入れるといった対策を行いましょう。

ITシステム開発にかかる費用の相場

ITシステム開発にかかる費用の相場は以下の通りです。

あくまで一般的な相場なので、参考程度にとどめましょう。

ITシステム開発を外部に依頼する際のポイント

ITシステム開発を外部に依頼する際のポイントとして、以下3つが主に挙げられます。

1. 開発実績があるかどうか見る
2. セキュリティマネジメントについて確認する
3. 開発体制がしっかりしているかチェックする

それぞれ詳しく解説していきます。

1.開発実績があるかどうか見る

依頼先を選ぶ際には、過去にどのような開発を行ってきたかを確認することが大切です。

自社と同業種や同規模の案件を手がけた実績があれば、業務理解が早く、ニーズに合った提案をしてもらえる可能性が高まります。

また、実績は技術力や対応力を示す証拠にもなり、信頼性の判断材料として有効です。

公開されている事例やクライアントの声なども参考にするとよいでしょう。

2.セキュリティマネジメントについて確認する

システム開発では、顧客情報や業務データなど機密性の高い情報を取り扱う場面が多くあります。

そのため、開発会社がどのようなセキュリティ対策をしているかを確認することがポイントです。

特に情報管理のポリシーや社内教育の有無、ISOなどの認証取得状況などが参考になります。

万が一の情報漏洩を防ぐためにも、セキュリティマネジメントの体制が明確な会社を選びましょう。

3.開発体制がしっかりしているかチェックする

優れたシステムを開発するためには、単に技術力があるだけでなく、プロジェクトを円滑に進めるための体制が整っているかも重要です。

例えば、要件定義から納品・運用まで一貫して対応できるか、PM（プロジェクトマネージャー）が配置されているかなどを確認しましょう。

※PM（プロジェクトマネージャー）：プロジェクト全体の管理責任者で、成功に向けて計画立案から実行、完成までの一連のプロセスを統括する責任者のこと

連絡窓口が明確で、トラブル時の対応スピードや責任範囲も把握できれば、安心してプロジェクトを任せられます。

まとめ

ITシステム開発と一口に言っても、顧客管理、不動産管理、メールフォーム、ポータルサイトなど多岐にわたります。自社でどのようなシステムが必要なのか、今回の記事を参考にイメージを書き出してみましょう。

また、実際にシステム開発を依頼する場合、今回の記事でご紹介した流れを理解しておくとスムーズです。特に初期段階で行う要件定義は重要で、システムの仕様を決める重要なポイントとなるので、しっかりと行いましょう。

なお、当社、株式会社ファーストネットジャパンでもシステム開発を行っています。以下のページよりお問い合わせやお見積りが可能なので、ぜひご相談ください。

WEBシステム開発